桜の木とカイズカの生垣

庭へのアプローチ入り口

 ひかり

2002年 私の住む岐阜県美濃加茂市の姉妹都市であるオーストラリアのダボ市は平成元年(1989年)の姉妹都市提携から25年を迎えた。

ダボ市からの要請で加茂農林高校造園科へ日本庭園の設計を依頼されたことから、生徒有志でプロジェクトチームを結成して設計をした。

実際、この公園には本格的な茶室もあり、市内の愛和建築さんが設計施工された。この茶室周りだけは美濃加茂からOBも含めた6名の庭職人らが渡豪して作庭にあたった。
その1人として私が関わったことがきっかけで今回までのダボでの作業に関わることとなった。


2004年にこの渡豪レポートが庭誌『庭』に紹介されています。



その公園も2012年ですでに10周年という事で昨年11月に美濃加茂市とダボ市で同時に記念式典が行われた。美濃加茂では加茂農林高校で行われダボの公園をふり返って過去から現在までン写真などをスライドショーで見ながら説明させていただきました。


さて今回は3年ほど前にダボへ行った際に提案してきた公園の正面入り口の数寄屋門建設がいよいよ現実となり大工さんをはじめ庭師3名で再度、渡豪してきました。

数寄屋門本体は建築業である茶室も手掛けた愛和建築さんの職人さんと板頭社長さんが瓦職人さんを含め3名で、その門の下廻りの石張りを私たち庭師3名の加茂農林OBが行ってきました。門は日本で刻み加工してコンテナで年明け早々に船便でダボへ。2月9日には庭師が先発で出発しました。

 
        お見送りを頂き、電車にてセントレアへ。


日本の気候とは真逆な夏のオーストラリア、今回初めてこの時期の渡豪となる。
つい先日までは気温45度という日があり猛暑が続いているという情報。日中は仕事にならないから昼休みをゆっくりとって夜7時頃まで仕事をしようかという計画だった。



ホームステイしたかったが送り迎えなどの問題もあり、時間が読めないので今回はアパートんしてもらった。ゆったりしたアパートで男3人で自炊、これもいい経験で結構楽しかった。

2月11日(月)初日の作業は数寄屋門の基礎となる御影石施工と石張り部分を囲む御影石の縁石を並べること。この作業は大工さんからお願いされた工事でこの日程の中でこの作業だけでも2日弱とられてしまうので石張りの日程に負担がかかることは確実である。





初日、数寄屋門の基礎になる御影石の施工は完了。ボルトもアンカーにて設置して高さを合わせる。




2月12日(火)2日目、石張り廻りの御影石縁石の施工も終わり、本格的に石張り工事が始まる。今回用意したのはジャワ鉄平石、大判が無いので大小のアクセントをつけるのが難しい。3日目には大きな大型テントを設置してくれて、雨でも仕事ができるようにしてくれた。日よけにもなりありがたい。




順にモルタルで張り付けていく平澤氏。目地を揃えて最後の微調整で手直ししながら施工する。





Ben、Joshuaが赤鉛筆に沿っての切り手に回ってくれて助かりました。



女性スタッフのAylaは最後の室目地の仕上げ。深目地の為、すべて目地鏝で施工する大変な作業だがこの作業で石張りの良さが左右されると言っても過言ではない作業です。




2月15日(金)昨日3日目の工事で3分の1程の進行、しかし石材は1パレットの半分ほどの消費、少し足りないような雰囲気。最後に不足したではどうにもならないので、ここで少し設計変更して御影石の配石を検討する。しかしその材料は手に入るのか?市内の石材店が持ってきたサンプルで御影石の白い板があった。シドニーから取り寄せになるが準備できるらしい。安心した。2u分の12枚を注文をして作業を続ける。(上の写真で番号がしてあるのが御影石の位置。)




2日後の朝、御影石が届き早速施工します。




昨日までの仕上がりは3分の2程。順調に進んでいる。ダボのスタッフの手伝いがあってこそ!




この日の夕方には残りわずかとなった。目地の仕上げまでで後2日ほどで終わるか。
いいペースで来たので明日の日曜は仕事のつもりではあったが休日とする。




2月18日(月)作業7日目、モルタル付けしている平澤氏に追いつかれないように黙々と配石を行いカットしていく。その隙間の細かな石を丹羽氏が埋めてくれる。お互いがプレッシャーをかけあいながらも手抜きは許さない。造園科OBの最強メンバーだというのは言い過ぎかもしれないが、私はそう思っている。
それも皆同級生でもあり皆開業して30年もこの職業で頑張っている頼もしいメンバーだ。




2月19日(火)8日目、すべての石を張り終え、大工さんの到着を待つのみ。朝には大型テントも外され門の建設に備える。あとは仕上げの黒目地が少し残っているのみ。この程度なら大工さんの手伝いをしながらでも仕上げられる。

午後には大工さんらが到着して合流する。明日からの工事予定だったがさすが職人さん、すぐに工事に取り掛かる。
夕方には柱も立ち6mの大きな梁や門脇の梁が仕上がっていた。



2月20日(水)9日目は大工さんの手伝いもしながら最終の黒目地の仕上げをする。




10時のティータイムには足場の設置業者により立派な足場が出来上がった。これで瓦屋さんも両脇の袖の屋根から施工できるようになった。一人で不安を抱えていたが丹羽氏の手伝いもありいいコンビだった。




昨日から取り掛かった袖の瓦工事も順調に進んでいく。棟の瓦も仕上げて重量感も出てきた。最後に漆喰を仕上げて終了。




大屋根は広い分仕事がはかどるようだが、何せ重い材料を足場まで上げたり足場から順に手渡ししながら施行していくのも大変そうだ。







2月22日(金)この日の夕方には大屋根の棟の瓦も仕上がり完成も近い。細かな仕上げを明日にするという事で予備日の土曜が完成だ。大工さんは最後まであちこちの微調整や鍵の取り付けに奮闘していた。

格子戸や勝手口などが本当に日本らしいがこの風景も日本でも失われつつあるのが残念です。







最終日、細かな仕上げを終えた大工さんたちも一安心。私たち庭師も空いた時間は剪定作業で茶室周辺の大きな木の刈り込みを行う。中門付近も燈籠を移動したり、地被の植え込みや砂利敷きを行って改修作業も行った。
毎水曜日にはボランティアの方々が玉刈りの剪定作業をしてくれているようだが、どんどん玉が大きくなっているので、ちょうど夏のいい時期なので思い切った強剪定を行ってきた。

最大限にいろいろと作業が出来て新たな数寄屋門が完成してとても充実した気分で帰路に着ける。
最後に門の両脇の塀をどのようなものにしたらよいかという事で、再度簡単な図面を書いて次期で工事で出来るように提案してきた。どんどん進化する逍遥園から目を離せない。

日本では市町村レベルでこのような素晴らしい公園が有る無しだけでなく、維持管理をしっかり行っているという面からも市民レベルの理解や協力なしでは出来ないだろうなという事を実感しながらの帰国となりました。

今回この後、日本でも知名度の高い造園会社が作ったメルボルンの動物園内にある日本庭園の見学に行ってきました。Journal of Japanese gardeningというアメリカの雑誌に紹介された日本庭園である。当然私たちもダボの公園をオーストラリア一番の公園にしたいという願いもあり、このオーストラリアには数多くの日本庭園もあり他の公園がどんなものか気になるところなのです。ネットで検索してこれはというものがこのメルボルン動物園にある日本庭園なのです。

庭の良さは規模ではなく、どんな内容かというところが重要だと思います。
私たちが出来るところでの改修だけでも少しずつ良くしていくしかありません。

今後もどうなるかは解りませんが、ダボに行く機会があるうちは少しでも良いものにしていきたいと思って望んでいるところです。

大変長文になりましたが、姉妹都市でこれだけの事業ができることを誇りに思います。

                                                    近藤恭啓


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美濃加茂市姉妹都市オーストラリア Dubbo市での数寄屋門建設工事

愛和建築 板頭芳樹社長・他2名 
平澤稔郁(平澤造園)・丹羽広光(庭広)・近藤恭啓(庭工房彩)